はじめに
「もう今の会社を辞めたい…」
でもそのとき、ふと迷いませんか?
「自分で言うべき? それとも退職代行を使ったほうが安全?」
最近は「退職代行」というサービスが広く知られるようになり、
会社に自分で退職を伝えなくても、専門業者が代わりに手続きをしてくれる時代になりました。
けれど、いざ自分が使う立場になると、こんな不安や迷いが生まれる人も多いはずです。
- 「代行を使うのは甘えなんじゃない?」
- 「できれば円満に辞めたいけど、自分で言う勇気がない…」
- 「どっちのほうがトラブルなく、安全に辞められるんだろう?」
この記事では、そんなあなたのために、
「退職代行」と「自力退職」それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく比較しながら、
どちらを選ぶべきか判断するためのポイントを丁寧に解説します。
「どう辞めるか」ではなく、
**「自分が無理をせず、後悔しない方法で辞められるか」**が大切です。
悩んでいるあなたが安心して次の一歩を踏み出せるように、ぜひ参考にしてください。

【最初に知っておきたい】退職は「労働者の当然の権利」
まず大前提として知っておいてほしいのは、
退職はあなたの自由であり、法律でしっかり守られている権利だということ。
民法627条にはこう書かれています。
期間の定めのない雇用契約は、いつでも解約の申し入れができ、2週間後に終了する。
つまり、会社の許可は必要ありません。
「辞めさせない」「話し合いに応じない」という会社側の対応は、法律上無効です。
だからこそ、「自力で伝えるか」「代行を使うか」は手段の違いでしかありません。
どちらを選んでも、辞めること自体に問題はないのです。
では、その「手段の違い」について、次に詳しく見ていきましょう。
【退職代行】を使うメリットとデメリット
▼ 退職代行のメリット
✅ 会社と一切直接やり取りしなくていい
「辞めたい」と伝えるのが怖い。
過去に何度も引き止められて諦めてしまった。
そんなときでも、あなたに代わって退職の意思をしっかり会社へ伝えてくれます。
✅ 精神的な負担が少ない
「辞めたい」と言ったら怒鳴られる、脅される…。
そんな会社と話す必要がないので、精神的なダメージを避けられます。
✅ 即日で出社不要になることも
業者によっては、連絡したその日から会社に行かなくてOKになるケースも。
有給休暇が残っていれば、そのまま有給消化→退職という流れも可能です。
✅ 法律トラブルに強い(弁護士・労働組合型の場合)
もし会社が「辞めさせない」「有給を認めない」と言ってきても、
弁護士や労働組合が間に入れば、法的根拠をもって交渉してくれます。
▼ 退職代行のデメリット
❌ 費用がかかる(相場2万〜5万円)
自力で辞める場合は無料ですが、退職代行には依頼料が必要です。
安さだけで選ぶと悪質な業者に当たることも。
❌ 自分の気持ちを直接伝えられない
「お世話になった人にはきちんと自分で感謝を伝えたい」
そう思う人には、代行を使うことに抵抗があるかもしれません。
❌ 業者選びを間違えるとトラブルになることも
非弁行為(違法な交渉)をする業者もあり、
信頼できる弁護士対応や労働組合型を選ばないとトラブルの可能性も。
【自力退職】のメリットとデメリット
▼ 自力退職のメリット
✅ 費用がかからない(0円)
自分で上司や人事に退職を伝える場合、当然お金はかかりません。
✅ 円満退職しやすい
誠意を持って自分の口で話せば、感情的な対立を避けやすく、
「辞めたあとも連絡を取り合える関係」を築けることもあります。
✅ 再就職先で前職の人脈を活かしやすい
前の職場で悪い印象を持たれにくく、紹介や推薦を受けられるケースも。
▼ 自力退職のデメリット
❌ 引き止めやパワハラに合う可能性がある
- 「辞めさせないぞ」
- 「損害賠償だ」
- 「裏切り者だ」
こんな理不尽な引き止めを受けて、精神的に追い詰められる人も少なくありません。
❌ うまく言えずにズルズル働き続けてしまうことも
「言わなきゃ…」と思いながらも、勇気が出ずに何ヶ月も引き延ばしてしまうケースも多いです。
❌ 会社が退職を認めない場合、自力で交渉が必要
「退職届を受け取らない」「有給を使わせない」といった会社と、
自分一人で交渉しなければならない状況になることも。
【どっちが安全?】退職代行 vs 自力退職 迷ったときの判断基準
自分にとってどちらが合っているのかを判断するには、
以下の質問に「YES」「NO」で答えてみましょう。
質問 | YESなら退職代行がおすすめ | NOなら自力退職でもOK |
---|---|---|
上司や会社が怖くて言い出せない | ✅ | |
何度も辞めたいと伝えたが引き止められている | ✅ | |
精神的に限界で、もう自分で話す気力がない | ✅ | |
会社が過去に辞めた人へ嫌がらせをしていた | ✅ | |
有給を使って辞めたい(交渉が必要) | ✅ 弁護士対応または労働組合型が安心 | |
会社と円満に話ができそう | ✅ 自力退職でもできそう | |
辞めたあとも良い関係を保ちたい | ✅ 自力で伝えるメリットがある |
【知っておこう】退職代行の選び方で失敗しないために
もし退職代行を選ぶなら、次のポイントを必ずチェックしてください。
✅ 弁護士または労働組合が運営・関与している
✅ 料金が明確で、追加料金なし
✅ 有給交渉、未払い残業代請求などが可能(必要なら)
✅ 口コミや評判を確認する(公式サイト以外も見る)
「安さ」だけで選ぶと、非弁行為(違法交渉)をする悪質業者に当たるリスクがあります。
トラブルを避けるためにも、信頼できる業者を選びましょう。
まとめ:どちらが正解でもなく、「自分が安全に辞められる方法」が一番大事
退職代行と自力退職。
どちらが正しい、どちらが間違っているということはありません。
大切なのは、
「あなたが無理をしなくてすむ方法」
「あなたが安全に、安心して辞められる方法」
を選ぶことです。
- 上司が話を聞いてくれそう → 自力退職でもOK
- 怖い・何度言っても辞められない → 退職代行を使って自分を守る
退職は「人生を変える第一歩」です。
だからこそ、誰かの価値観ではなく、自分の心の声に耳を傾けてください。
あなたが心身を壊すことなく、新しい一歩を踏み出せることを心から応援しています。
